こんにちは 2020年度の診療報酬改定で「重症度、医療・看護必要度」が変わりました。
今後さらに重症患者の基準が厳しくなると予想されています。
救急医療が中心となる(救急車で入院し、手術する患者が殆ど)病院では基準クリアは問題ないと思います。
しかし、田舎の地域中核病院で下の①〜③に該当する急性期病院では、今後は入院料1の基準を継続してクリアしていくことが難しくなると予想されます。
①診察から入院する患者が多い
②救急車で入院する患者は少ない
③外科系の手術をする割合が少ない
私も、今年度になり看護必要度について看護師と情報共有することで気がついたのですが、意外にカウント漏れが多く、潜在的な重症患者は実は多いということです。
看護必要度は入院料1の基準に関わる病院経営の根幹であります。
リハビリスタッフも看護必要度について理解し情報を共有することが重要です。
看護必要度とは
急性期一般病棟(入院料1)の「重症患者」の割合が、2020年4月から30%から31%に引き上げられました。
さらに、今まで重症患者の基準にカウントできていた認知症やせん妄のある患者ができなくな離ました。
厚生労働省は、2〜3割ほどの病院が基準を満たせなくなると予想しています。
病院の生き残りと言っては言い過ぎですが病院経営に大きく影響を与えるのは間違いないです。
重症患者の基準とは
重症患者の基準
次のいずれかを満たす患者
①A項目2点以上 かつ B項目3点以上
②A項目3点以上
③C項目1点以上
AからCの項目の紹介
A項目で変わったところ
7⑥免疫抑制剤の管理(注射剤のみ)
8救急搬送後の入院が5日間
B項目で変わったところは、患者の状態だけでなく介助の実施が加わりました。
C項目で変わったところは
下の図のように日数増えました。
基準をクリアするためのリハビリスタッフ戦略は?
①A項目2点以上 かつ B項目3点以上 ②A項目3点以上 ③C項目1点以上 |
③のC項目は手術等の医学的状況なので、③に対しては何もできません。
つまりA項目とB項目で情報共有してカウントを増やすということがリハビリスタッフのできる戦略です。
A項目でできること
呼吸ケア(喀痰吸引のみの場合を除く)は、看護師との情報共有にてカウントを増やせるところである。
呼吸ケア項目には、①〜③のいずれかの処置に対して看護師等が自ら行うか医師の介助を行った場合とあります。
看護師等、の等にはリハビリスタッフも含まれていると解釈されています。
①酸素吸入
②痰を出すための体位ドレナージ
③痰を出すためのスクウィージング
リハビリスタッフは②と③は呼吸リハビリで行う手技であり、呼吸障害のある患者には行っています。
しかし、そのことを情報共有できていない場合があります。
③のスクウィージングはある程度の技術が必要であるが、②の痰を出しやすくするために体位を変換することは特別な技術がなくできることです。
また、体位ドレナージと認識していないが体位変換として実は看護師が行っている場合があります。
呼吸ケアのところでカウント漏れがあることが多く、リハビリスタッフと看護師との情報共有で防ぐことができます。
B項目でできること
B項目の戦略は、3点の壁を超えることです。
リハビリを行っている患者の多くは、この日常生活動作の項目でカウントできる場合が多いので、A項目2点の患者はB項目で3点以上カウントして基準クリアしましょう。
急性期病院で働くリハビリスタッフは、移乗介助・食事介助・衣服の着脱介助を行う場合が多いです。そのような日常生活動作の介助について看護師に伝えていますか?
入院でリハビリを必要とする患者は日常生活動作が自立していない場合が多く、全て自立となれば退院になります。
つまり、入院でリハビリしている患者はB項目で3点採れる患者が多いということです。
看護師と情報共有することで「A項目2点かつB項目3点」の基準をクリアできているのに、カウントしていないことを防ぐことができると思います。
まとめ
呼吸ケアは、酸素吸入していないからとカウント除外していませんか?
痰を出しやすくするための、体位ドレナージ、スクウィージングのどちらか行えばカウントできます。
B項目の日常生活動作の介助に対しては、リハビリスタッフが日々行っていることであり情報共有することで漏れなくカウントできます。
情報共有ができていればクリアしている基準を超えることができないで入院料が下がり病院経営が悪化し、職員の給料や待遇が悪くなることはできるだけ避けなければいけません。
なぜなら最終的には医療の質の低下、患者への不利益と繋がるからです。
様々な基準が厳しくなっていくと予想されますが、実際には行っているのに情報共有が原因で基準をクリアできないで衰退していくことだけは避けて行かなくてはいけないと思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。