One-投資のソムリエは、SBI証券の資金連続流入3ヶ月ランキングで8位、純資産増加額前月比ランキング8位、バランス部門の月間ランキングで4位と人気があるファンドです。モーニングスターのレーティング★5つで優秀なファンドです。eMAXIS Slim先進国債券・バランス8資産均等型と比較しました。
5つの魅力
このファンドの特徴は、資産を守りながら増やすことであり、資産形成というよりは資産運用を目的としたファンドである。
これから資産を増やしたい人というよりは、既に資産がある前提で預金するよりは投資で運用、しかし、リターンの追求よりは、できるだけリスクを抑えた運用を好む人向けのファンドです。
分散投資
資産分散は、基準価格の変動リスクが年率4%程度となるように資産配分しています。
資産をリスク資産と安定資産に分けて、安定資産の占める割合が多くなるように組まれています。
安定資産は、国内・先進国債券です。
リスク性資産は、国内株式・先進国株式・新興国株式、新興国債券、国内リート・先進国リートです。
下落局面における資産配分の変更
平時から安定資産の占める割合を多くしていますが、投資環境の変化を速やかに察知し、下落局面ではさらに資産配分を調整しています。
リスク性資産が下落しているときは、安定資産を100%にして対応している。
安定資産(債券)が下落しているときは、現金を組入れています。
リスク性資産や安定資産が下落しているときは、現金の比率を多くしている。
月次で資産配分⽐率を決定する「基本配分戦略」に加え、市場環境に応じて組入資産を 日次で調整する「機動的配分戦略」によって刻々と変化するマーケットに対応している。
純資産総額が増加
投資信託にとって純資産総額が増えることは良いことです。
グレーの面積が純資産総額を表していますが、増え続け2020年以降はさらに急増しています。
退職金などまとまった資金を普通預金で管理するよりは投資信託で資産運用する人が増えている影響があると思います。
既にまとまった資産があり、リターンよりはリスクをできるだけ抑えた運用を求める人には最適なファンドだといえます。
コロナショックなど下落局面に強い
マーケットに大混乱をもたらしたコロナショックですが、多くの資産が急落する一方、投資のソムリエは大きな下落を回避しています。
設定来、投資のソムリエはこのような急落局面において、資産配分を機動的に変更する投資判断を行うことで、大きな下落を回避し、安定的な運用を行うことができています。
運用効率(リターン・リスク)が優秀
ハイリターンはハイリスクといいますが、どのくらいのリターンを追求するかは投資家のリスク許容度と運用期間により判断します。
リスク許容度が高く、運用期間が長ければ下落局面が長く続いても回復するまで待つことができますが、リスク許容度が低い、運用期間が少ないのであれば下落局面で元本割れするリスクが高くなります。
既にまとまった資産をお持ちでしたら、無理に増やすことより守りながら増やす運用を重視した方が良いと思います。
図の横軸のリスク小よりの方が資産運用に向いています。
7月の資産配分
月次報告で7月の資産配分をチェックします。
債券などの安定資産は62.5%、株式・リートなどのリスク性資産は33.2%、現金など4.3%となっております。
債券は国内債券より先進国債券の方が投資効率が高いので、国内債券の比率を下げています。
国内リートが4.5%から5.0%に比率を高めているのはコロナのワクチン接種が進んでいるのでアフターコロナによるリート価格上騰の影響だと思われます。
毎回、月次報告で資産配分をチェックすることで、プロが今の投資環境をどのように捉えているかが分かりますね。
eMAXIS Slim先進国債券・バランス8資産均等型との比較
投資のソムリエと比較するのにeMAXIS Slim先進国債券とバランス8資産均等型を選びました。
投資のソムリエの特徴が下落局面に強いファンドで安定した運用を目指しているところから、安定資産の代表格である先進国債券を選びました。
また、投資のソムリエは株式・債券・リートの国内・先進国・新興国へ分散投資しているので、分散投資の代表格であるバランス8資産均等型を選びました。
3年チャート:基準価格+配当金(2021/8/29調査)
コロナショックの局面を含めるため3年チャートで比較します。
安定した運用を投資目的としているので、評価としてはリターンよりはコロナショックのときのパフォーマンスを重視します。
eMAXIS Slimバランス8資産均等型は、コロナショック時に大きく下落しています。
eMAXIS Slim先進国債券と投資のソムリエはコロナショック時の下落は少なく安定したパフォーマンスです。
コロナショックのような暴落する局面に強いのは、eMAXIS Slim先進国債券と投資のソムリエですね。
騰落率、シャープレシオ、信託報酬の比較(2021/8/29調査)
3年間のチャートでは、コロナショックの暴落も含めeMAXIS Slim先進国債券と投資のソムリエのパフォーマンスが変わらないように見えます。
シャープレシオをみると、1年と3年のシャープレシオは投資のソムリエの方が僅かですが上回っていて投資効率が良いのが分かります。
信託報酬でみると、投資のソムリエがかなり高いので割高に感じます。
投資のソムリエは、債券が下落したときでも現金化することで対応できますが、先進国債券では現金化などの対応ができません。
アクティブ運用だからできる細かな調整ですが、その分信託報酬が高くなります。
同じ信託報酬であれば投資のソムリエが優れているといえますが、信託報酬にかなり差があるので優劣つけ難いということになります。
既に潤沢な資金がある人ならこのくらいの信託報酬の差より、投資環境の変化を速やかに察知し、資産配分を変えて調整してくれる運用を選ぶのですね。
それが、投資のソムリエを選ぶ理由です。
投資のソムリエ | 先進国債券 | バランス8資産 | |
1週間 | -0.02% | -0.21% | 1.29% |
1ヶ月 | -0.16% | -0.76% | -0.15% |
3ヶ月 | 1.21% | 0.47% | 1.77% |
6ヶ月 | 1.81% | 3.46% | 7.54% |
1年 | 1.46% | 2.83% | 18.98% |
3年 | 9.55% | 12.78% | 25.37% |
シャープレシオ(1年) | 1.15 | 1.05 | 2.83 |
シャープレシオ(3年) | 1.55 | 1.26 | 0.63 |
信託報酬(税込)/年 | 1.54 | 0.154% | 0.154% |