リハビリテーションで効果をだす3つの原理と6つの原則

リハビリの効果医療

 

効率よく安全に効果をもたらすための運動療法の考え方として「トレーニングの3つの原理と6つの原則」が有名です。

リハビリテーションの中で運動療法をメインに担当する「理学療法」は、限られた時間で最大の効果を引き出すために「運動で身体を治す」「運動で幸せにする」を意識してプログラム作成や指導を行う必要があります。

リハビリテーションも漫然とするよりこの法則で行うことが体の適応性を引き出し、効率よく安全に効果をもたらします。

自分でリハビリテーションしている方は、今の運動がこの法則で行っているか考えてください。

 

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3つのトレーニングの原理

1.過負荷の原理

ある程度の負荷を与えないと効果が得られません。

毎日の日常生活動作で動いていても、体力維持の効果はありますが、体力はアップしません。

毎日の日常生活動作に少しでも負荷を加えると効果がでます。

例えば①:椅子から立つ時→いつも1回のところを余計に2回行う。

例えば②:駅まで車を使っているのを→歩きに変える。

 

2.特異性の原理

運動の方法によって効果が違うということです。

体操

例えば①:短距離走の練習→短距離走に効果○、長距離走△

例えば②:高重量の筋力強化→筋力増強効果○、持久力△

例えば③:下半身の筋力強化練習→歩行に効果○、更衣(シャツの着脱)△

 

例のように、運動方法によって得られる体の効果が変わります。

関連する動作であれば能力が高くなりますが、関連しない動作なら効果は薄いです

 

3.可逆性の原理

運動によって得られた効果が、運動をやめてしまうと戻ってしまうという原理です。

教科書的には、↑の説明の通りなんですが、でも無駄になるということではありません。

ちょっと追記しますと

運動の効果は2つに分かれます。

 

1.運動認知、運動学習(スキルの向上)の効果

これは、自転車に乗れるようにトレーニングします。

トレーニング効果で自転車に乗れるようになりました。

自転車を乗れるようになったという運動学習効果は自転車を乗らなくなっても効果が持続します

2.身体の構造上の効果

これは、筋肉や骨、関節が運動によって強くなった効果です。

自転車のトレーニングで得られた筋力や骨・関節が強くなった効果は、やめると元に戻ります。

 

※可逆性の原理は、筋力や持久力など身体的効果のことであり、認知レベルは必ずしも可逆性の原理ではありません。決して1度行った運動は無駄にはなりません

 

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6つのトレーニングの原則

1.意識性の原則

トレーニングの内容や目的を理解して行うと効果的という原則です。

筋力強化練習を行う時に、どこの筋肉を刺激しているのかを理解してその筋肉に意識を集中して運動するのと、意識しないで運動するのでは効果が全く違うということです。

例えば、歩くときに、何も意識しないで歩くのと、お尻(臀筋)に意識を集中し歩くのでは効果が違います。

歩行練習

お尻の筋肉に意識を集中すれば歩きながら臀筋を鍛えることができます。

ふくらはぎに意識を集中すれば歩きながらふくらはぎを鍛えることができます。

※上手く意識を集中させることができない方は、手で意識したい部位を触ることで効果が高まります。

2.全面性の原則

全身の筋をバランスよく鍛えること、パワーだけでなく柔軟性も持久力もバランスよく鍛えると効果的であるという原則です。

掃除

※ リハビリで歩行練習するとき、前方歩行だけでなく、横歩きや後ろ歩きなど組み合わせて行うと歩行能力を効果的に高めることができます。

※ リハビリテーションのプログラムがパワー系に偏っていないか?柔軟性も持久力も日常生活動作には必要です。

3.専門性の原則

競技種目の違いやリハビリテーションの目的にあった運動を行うことです。

スポーツ復帰を目的とした運動であれば高強度の運動が必要になります。

 

※ 高血圧の方は、運動により血圧が上昇するのを避けるため低強度の運動が適しています。有酸素運動が効果的です。

※ トイレ動作の自立を目指すのであればトイレ動作で運動するのが効果的です。

 

4.個別性の原則

身体能力や運動能力は個々に違います。

1人1人の能力にあった運動を行うことが安全で効果的な運動となります。

※ リハビリテーションは他人と比較するものではありません。「あの人はもう歩けるようになった」とか「あの人は階段している」と比較するのではなく、マイペースで行いましょう。

 

5.漸進性の原則

平行棒内歩行

体力やスキルが向上したら、少しずつ運動の課題や強度を高めていくという原則です。

いつも同じトレーニングで同じ負荷量で行っていると維持はできるが向上する効果は望めません。

※ 例えば平行棒の中で歩けるようになったら、次は歩行器で歩けるようにしましょう。

歩行器歩行

6.反復性、周期性の原則

体力やスキルを高めるには、繰り返し運動を行うようにするという原則です。

特に運動学習(スキル)を高めるためには毎日のように頻度を高めた方が効果的です。

ダンス

※ リハビリテーションは、障害を持った身体をどのように動かすと今までと同じ生活ができるようになるか運動学習します。運動学習は毎日行った方が効果的です。

※ 一回目のリハビリテーションをめっちゃ頑張って次の日休むより、続けられる運動量を毎日行った方が効果的です。

 

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安全な運動を行うためのポイント

他人とお喋りしながら続けられる運動

ランニングなら、分速120〜150mで毎分8.9〜10.3kcalの運動になります。

最大運動能力の60%以下の運動で有酸素運動になります。

汗のでかたは、滝のような汗でなく、じんわり汗ばむ程度の運動になります。

 

運動中や運動後に苦しさや痛みを感じない

一般人や運動習慣のない人は、運動強度が高すぎて高血圧状態や関節を痛める危険があります。

まずは、低強度の運動から始めましょう。

血圧計

翌日に疲れや痛みが残らない

翌日に疲れや痛みを残してしますと、翌日のリハビリテーションが十分できません。

また、痛みや疲れが増悪すると炎症やケガの原因になります。

翌日に痛みや疲れが残らないように運動しましょう。

関節痛

運動強度をすぐアップしない

運動してから身体に変化があらわれるのに時間がかかります。

身体に変化があらわれていないのに、すぐ運動をアップするのは危険です。1週間ぐらい経過を見て余裕があればアップしましょう。

※ 例えば、骨折後の歩行練習では、初めの4週間は免荷(体重をかけない)、そして1〜2週間毎に体重の1/3荷重、体重の1/2荷重、体重の2/3荷重、全荷重、と段階的に進めます。これは、骨の変化に時間を必要とするからです。

骨折

1週間の中で休む日を作る、体調の悪いときは休む

筋力は、休んでいる時(回復期)に成長ホルモン分泌され発達します。

1週間の中で休む日を作ることは効果的です。

※ キン肉マンといえばボディビルダーですが、その方たちは運動した筋肉は次の日は必ず休ませます。筋肉の発達には休みが必要だからです。

 

炎天下の運動は行わない

運動には水分が必須です。炎天下では水分不足になりやすく体温調節や代謝産物の調整に必要な水分が不足します。

また、炎天下では消耗が激しく運動に集中できないため、運動学習効果を高めるには適さない環境です。

水分補給

寒冷時には体を保温する

炎天下とは逆ですが、寒冷により血管が収縮し血行が悪くなります。

血管が縮んだ状態で運動により心肺に負荷を与えると、血圧が上昇しやすく危険です。

また、筋肉も寒さにより硬くなっているので、ケガしやすくなっています。

 

栄養や睡眠を十分にとる

栄養は身体を作るための材料になります。材料が不足している状態で運動だけしても効果は得られません。

睡眠は筋肉の発達、疲れをとるためにも重要です。

特に夜の11時〜12時、2時〜3時は睡眠のゴールデンタイムと呼ばれ成長ホルモンが多く分泌される時間帯で大切です。

睡眠

 

医療
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