理学療法士を目指す臨床実習生向け、症例報告書作成のポイント

臨床実習医療

こんにちは

学生さんから臨床実習がコロナの影響で中止になっていると聞きました。

自分の学生だった時(30年前)のことを思い出して、臨床実習は決して楽しいものではないですが、それが全く無いと言うのも不安になりますね。

ちょっと、いやかなり古い指導方法になりますが、症例報告を指導者側が見るポイントを説明します。

1人のバイザーに指導されている感じで参考にしてください。

スポンサーリンク

基本情報

バイザーが見ているポイント

・情報収集する能力を見ています。

・どの内容を誰に聞けば良いか?

・分からないことを相談できるか?

1.症例紹介

患者氏名: 氏名の記載、イニシャル表記はしないこと。

記載例: ○○氏、A氏、B氏

生年月日: 記載しないこと。

性別: 記載可

年 齢: 年齢は記載せず、70代前半、70 歳後半などと表記すること。

職業: 特定の名称は避け、事務職、製造業、農業、漁業などと記載すること。

主診断名

発症:年月日

障害名

主訴:

患者の要望

2.現病歴:

発症時より実習生担当までの主病名に対する経過を記す

いつ、どこで、だれが、どういう状態であったのか?

3.既往歴:

主病名に関係ある疾患を中心にまとめる。

また、治療に影響を及ぼすと思わ れる合併症などの経過についても記す。

ただし、治療歴について、年月日、病院名等は記 載しない。(A病院、B病院等は可)

既往歴と合併症の違いとは?

既往歴:これまでにかかったことのある病気や手術などの診療の記録

合併症:ある病気が原因となって起こる別の病気

4.医学的情報:

他部門からの情報:次のものは個人情報に該当する。 診療記録、処方せん、手術記録、看護記録、検査所見記録、エックス線写真、紹介状、調剤録、 退院時サマリーなど。これらの情報の記載については、臨床実習指導者に確認の上、個人を特定できるものを除き記載すること。

バイザーが見るポイント

・各検査結果をみて担当患者の状態を把握しようとしているか?

検査データは集めることより、そこから読み取ることが大事です。

・他部門情報で分からないことがあれば疑問に持ち、相談できるか?

※初めからできる学生はいません。

症例を通して問題を解決する能力を身につけることがバイザーの目的です。

緊張すると思いますが分からないことをそのままにしないで、相談しましょう。

X線学的所見:

患者を写した写真や動画はもちろんですが、手や足など一部分も個人情報になります。写すときはX線所見でもバイザーに相談しましょう。

血液検査所見:

手術所見:ある程度の知識がないと理解できないと思います。分からないときは、悩まずバイザーに相談しましょう。

主治医による診察所見など:ある程度の知識がないと理解できないと思います。分からないときは、悩まずバイザーに相談しましょう。

他の部門(看護師、作業療法士、言語聴覚療法士、社会福祉士)

リハビリテーション科内の情報は、リハビリテーションを分業して行っているため積極的に他部門の人と相談しましょう。学生のうちから作業療法科・言語聴覚療法科の学生と交流を持ちお互いの違いを理解しているとイメージを持ちやすいと思います。

5.家族歴:

とくに遺伝疾患などの有無、家族発生要因の存在の有無について記す。

家族構成: 独居、夫婦二人、二世代などと記載すること。また、家系図を記載する場合は、 その中に、個人を特定できる情報(年齢、居住地など)は記載しないこと。

6.社会的背景:

家族構

職歴・教育歴

趣味・嗜好

病前における一日の生活状態

家屋構造および環境

※住 所: 住所は記載せず、家屋環境のみ(斜面地、階段、坂などの記載など)を記載。

その他:家族の要望など

7.理学療法経過:

実習生が担当する前になんらかの理学療法が実施されている場合(転院前を含む)、その経過の概略を記載する。

聞き方のポイント

・自分が指導者の立場だったらこう聞かれたら具体的に答えることができるとイメージを持つことが大切です。

・例えば骨折であればいつから歩けるようになったのですか、その時はどんな理学療法を行っていたのですか?聞きたいことを具体的に伝えるのが大事です。

・困る質問は、今までどんな理学療法をやってきたのですか?

答える方も何に疑問を持ち、どんな回答を待っているのか分からないと返答できないです。

スポンサーリンク

理学療法評価(評価年月日)

バイザーが見るポイント

・評価項目を適切に選択できるか?

・各検査(関節可動域筋力評価脳神経検査筋緊張検査ブルンストローム検査反射検査感覚検査痛みの評価形態測定協調性運動検査基本動作日常生活動作)を正確に行えるか?

・養成校でしっかり検査技術を見に着けておけば大丈夫です。

 

患者の障害に対応させて適切に評価を実施し、その結果をまと めて記載する。

評価結果は客観性、信頼性および妥当性が備わっていなければならない。

※記載方法は、決められた形式があります。その通りに作成すれば形になります。

スポンサーリンク

問題点の抽出

バイザーが見るポイント

・理学療法評価、各検査結果から問題点を抽出できるか?

例えば関節可動域:右股関節の屈曲制限→問題点に股関節屈曲制限と抽出する。

ただし、検査で正常値ではない数値でも患者にとって問題にならない範囲であれば問題として抽出しない場合もあります。

ここは、経験も必要なところですからバイザーと相談するとよいです。

障害レベルの分類は、「機能障害、能力障害、社会的不利」、「心身機能・ 身体構造レベル、活動レベル、参加レベル」、あるいは「一次的問題、二次的問題」 として抽出する。

スポンサーリンク

治療目標の設定

目標設定は、ある程度の経験が必要です。難しいので分からないときは相談しましょう。

考え方がわかれば目標設定できると思いますが、考え方が分からないとネットで調べて分かることではないので悩まずに聞きましょう。

短期目標:2-3週後の治療目標を身体機能およびADLのレベルで挙げる。

長期目標:実習終了時の治療目標を身体機能およびADLのレベルで挙げる。

必ずしもこの期間にこだわる必要はなく、変更する場合にはその期間も記す。

治療プログラム

治療プログラムは問題点に対応させて計画する。

治療内容についてはとくに用量について明確に記載する。

(治療項目、治療時間、治療部位、治療頻度など)

リスクがあれば、それも明記しておく。

治療プログラム作成は難しくありません。実際に治療することは難しいと思います。

問題点に挙げた項目を治療プログラムに取り入れるようにしましょう。

例えば、問題点で右股関節屈曲制限→治療プログラムに右股関節屈曲可動域練習

 経過

実習生が担当後の治療経過を身体機能の変化を中心にまとめる。

問題としている点や目標としている動作について着眼して経過をまとめると分かりやすいです。

例)移動動作:3/5車椅子、4/5両松葉杖歩行、4/15片松葉杖歩行、5/4杖歩行、6/4独歩

例)関節可動域:3/5右股関節屈曲60度、4/15右股関節屈曲75度、5/4右股関節屈曲90度

 

考察

バイザーの見るポイント

・考察は統合と解釈について説明するところです。

・統合とは、2つ以上のものを合併して1つにまとめることです。考察では、目標設定です。

・評価から抽出された複数の問題から、1つの目標を立てた理由を説明します。

・解釈とは、私は分解して説明することであると指導してきました。

・例えば歩行困難という問題に対して(関節可動域○、筋力✖︎、感覚○、形態測定○、痛み○)なので歩行困難なのは筋力低下が原因→筋力強化を行う。

・目標設定から問題点の抽出、治療プログラム作成までの論理的な説明を他人に説明できるようになることを指導ポイントとしています。働いてからはとても大切なスキルです。

・自分の行っていることを患者や家族、医師や他部門の人に論理的に説明できるようになるために頑張りましょう。

病態像を明確にとらえることや実習生が抽出した問題点、治療目標、さらに治 療プログラムに対して、何故それらを取り上げたのか、その根拠や病態の変化、 治療効果などについて十分に考察する。

また、教科書による一般的な病態と患者の病態像との比較検討を行い、患者の身体機能の予後についても予測する。

14.参考文献:

以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

医療
スポンサーリンク
takayu05.comをフォローする
takayu05.com

コメント