お笑い芸人の鉄拳ネタに、こんな○○は嫌だ!があります。理学療法士は患者さんを「どれだけ治せるか?」あるいは「どれだけ見れるか?」で評価される。しかし、患者さんからどう見られているか?という逆の見方で考えることが少ないので患者さんから見て「こんな理学療法士は嫌だ!」を解説します。
理学療法士の未来は暗いと悲観的、いつも暗い顔をしている
理学療法士の働く前のイメージと実際は違うと感じる方は少なくないと思います。
これはどんな仕事でもありますが、何をやっている会社なのかイメージが持てないのと違い、リハビリテーションはテレビでみたり、自分や家族が体験したことがあったりで容易に想像できます。
これは、「思い込み」で、それらは仕事の一部でしかないのです。
ネットで検索すると、理学療法士の未来に対して悲観的な記事が多いです。
テレビのニュースでも同じですが、悲観的なニュースの方が視聴率が取れるからです。
偏った情報に惑わされないでください。
理学療法士を頼りにしている患者さんがいること、理学療法士を目指している学生さんがいることを忘れずに、患者さんの前では平常心・優しい気持ちで頑張りましょう。
年収500万の壁をどう判断するか?
理学療法士が働いて得ることができる報酬は、国が定めた診療報酬によって天井があり、そのため年収の伸びに上限のような壁があります(年収は、病院や施設によって違います)、この壁が年収500万円です。
日本人の平均年収は436万円(令和元年国税庁の民間給与実態調査)
日本人の平均年収からみると理学療法士の年収は平均です。
しかし、日本の医療保険は国が7〜9割支払うため安定した業種です。民間企業のように20年会社が存続できれば超優良企業ということで判断すれば、どこの病院も超優良企業といえます。
安定をとるか、高い年収を求めるか?
世の中の常識は、ハイリターンはハイリスクです。
理学療法士としての年数によっても変わる
私は理学療法士になり30年になります。
思い返すと、、こんな感じです。
- 20代:国家資格を持って働いていること、仕事で感謝されること、仕事を覚えることで余裕がなく、楽しく働いていました。
- 30-40代:ちょっと仕事に余裕がでる、毎日の仕事に変化がなく物足りない、子育てにお金が「給料が足りない、転職?」、毎日気持ちをリセットして働いていました。
- 50代:若い頃のようなやる気、体力は低下しています。コロナ禍で大変ですが、安定して働けていることに感謝。若いときは、変化がないのが嫌でしたが、50代になると安定しているのが嬉しい。
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怖い顔・難しい顔をしている
真剣になると難しい顔になることが多いです。
セラピストが患者さんを見ている以上に、患者さんはセラピストを見ています(緊張しながら)。
難しい顔や怒った顔をしながらリラックスしてくださいと行っても無理です。
まず、セラピストが優しい顔、優しい雰囲気で接してください。
トークが中心
報告・連絡・相談は大事ですが、患者さんの前では控えましょう。
患者さんに傾聴し、困っていること、悩んでいることを理解することで信頼が得られます。
話好きな患者さんは、ずーっと話てきますがそれでリハビリが終わらないようにしましょう。
話を聞くことは大事ですが、それで日常生活動作を改善することはできません。
運動はしっかり行い、休んでいる時間にお話をしましょう。
看護学生を気にし過ぎる
これは男性セラピストは特に気をつけなくてはいけません。
患者さんと一緒に看護学生もリハビリ室に来ることが多いですが、患者さんが主役であることを忘れてはいけません。
鼻の下が伸びているセラピストを患者さんはどう見ているか想像してください。
他の患者さんと重ねてリハビリする
病院で行うリハビリテーションは個別療法が中心です。
個別療法とは、1人のセラピストが1人の患者さんリハビリすることです。
介護保険事業の集団療法の場合は除きます。
病院で行なっているリハビリテーションは、1人のセラピストが同時に複数の患者さんにリハビリしてはいけないのがルールとなっています。
ルールを守ることは当然ですが、しっかり患者さんと向き合うことで大事です。
スタッフルームにいつもいる
スタッフ間の業務量は、均等になるように担当する患者さんの数を決めています。
周りのセラピストがリハビリしているのに、いつもスタッフルームにいるのは変な現象です。
1番困っているのは患者さんです。業務時間中は患者さんのために動きましょう。
すぐ怒ったり、否定することが多い
大人になって他人から怒られたり、否定されることは辛いことです。
病院は安全が第一なので、少しでもリスクのある行動は注意しなくてはいけません。
しかし、急に病気やケガになり生活が一変し、困っているのは患者さんです。
できるだけ患者さんのプライドや自尊心が傷つかないように意識しましょう。
患者さんが辛い・苦しい時こと周りのスタッフは優しく接してください。
訓練が難しく何をやっているのか分からない
一生懸命に勉強して理解したことを患者さんに伝えることは悪いことではありません。
しかし、基本となる知識(リテラシー)が違うので、自分が理解したこと全部が患者さんに伝わると思い込んではいけません。
できるだけ簡単な言葉で説明し、言葉ではなく身体で覚えられるように反復練習しましょう。
リハビリをする前から「あきらめている」
リハビリテーションの対象となるのは、治る病気の患者さんだけではありません。
治らない病気だからと言って、初めからあきらめてはいけません。
なぜなら、あきらめると、あきらめている態度が患者さんに伝わるからです。
見ているのは、私たちセラピストだけではなく、患者さんもセラピストを見ています。
肯定や否定でなく、寄り添い、サポートする姿勢が大切です。
リハビリが痛く、ハード過ぎる
リハビリを一生懸命に行うことは間違いではないですが、仕事ですから結果を出すことが大事です。患者さんの身体が良くなることが大事です。
リハビリテーションを行なったことで痛みが強くなる、動けなくなるという現象は起こしてはいけません。
リハビリテーションの途中に「痛くないですか?」「苦しくないですか?」と声かけしながら行いましょう。
また、体調は日々変化するので毎回決められたプログラムを行うことに固執しないで柔軟性を持ってリハビリを行いましょう。