中国のIT業界に対する規制強化はピークアウト?|絶好の買い場か!

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8月以降も規制強化が続く中国であるが、IT業界に対する規制強化はピークアウトしたとの見解もあり、株価も反発する場面も見られるようになった。中国のIT業界への投資は落ち着きを取り戻し絶好の買い場となっているのかをまとめました。

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8⽉以降のIT業界に対する規制強化は、事前観測の範囲内

8⽉以降も中国では多分野にわたって規制強化が発表され、 株式市場が⼀段と調整を強める場⾯がありました。
7⽉まで進めてきた「格差の是正」と「消費者保護」を⽬的とした分野においては具体的な法整備や規制制定の段階に移りピークアウトのように感じられる。
⼀⽅、「社会問題」に関しては新たな産業に照準を合わせ、芸能界や⽩酒業界などに対して規制強化が⾏われました。

規制強化出典:大和アセットマネジメント「中国の規制強化の続報と株式市場の見通し」

IT業界ではおおむね事前観測の範囲内で法整備が進み、予⾒性が⾼まる
IT業界においては規制関連のニュースが続いているものの、⽬新しい内容ではなく「個⼈ 情報保護法」の制定や、オンライン配⾞サービスにおける労働者権利保護の規制、未成年のオンライン ゲームへのアクセス制限等が発表されましたが、いずれも事前に観測されていたものでした。

法整備が着実に進んだことで、当局の役割が今までの不意を突く⾏政指導から、今後は法令の枠内で監督機能を果たすことに転換するとみられ、予⾒性と透明性が改善することで、当局の⼀挙⼀動が株価の⼤幅な下落をもたらす場面は今後少なくなると予想される。

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ヘルスケア産業に規制強化が広がる可能性は少ない

8⽉に⼊り、教育産業の⾮営利化への転換が衝撃をもたらし、⾦融市場ではその他産業にも同様な規制強化が広がるのではとの懸念が⾼まりました。
特に格差拡⼤の要因として「⾼額な教育費」と「不動産価格の⾼騰」に並んで「⾼額な医療費」が批判されたことで、ヘルスケア産業が標的になるとの懸念が⾼まり株価が下落しました。
しかし、下記の理由でヘルスケアが教育と同様な規制強化を受ける可能性は低いと⾒込みます。

  1. ヘルスケア産業が教育、不動産と根本的に異なる点としては、「イノベーション推進」の重要産業に位置付けられていることです。
  2. ⾼額な医療費への対応策として、政府は医療保険等社会福祉システムの強化や浸透により個⼈の医療費負担を引き下げる⽅針です。また、「共同富裕」達成の⼀環として年⾦保険制度と医療保険制度を完備すると述べられています。
  3. 新5カ年計画(2021-2025年)では、医学、医療、製薬、バイオ等が重点分野として網羅されているため、ヘルスケア産業が規制強化の対象となる可能性は低く、むしろ政策⽀援が期待できるとみられます。

新5ヵ年計画

出典:大和アセットマネジメント「中国の規制強化の続報と株式市場の見通し」

政策⽀援を受ける産業においては株価が堅調に推移

規制強化が相次ぎましたが、株式市場では株価が上昇する産業もみられました。
【図表4】に⽰した産業がその代表的な例で、4⽉以降はおおむね堅調に推移しています。
特にIT、ヘルスケア、環境産業は政府支援を受ける産業であり、今後も急速な発展が期待されます。

中国のセクター出典:大和アセットマネジメント「中国の規制強化の続報と株式市場の見通し」

 

海外投資家【図表5】や国内個⼈投資家からの本⼟株式市場への資⾦流⼊が続いていることからも、中国株への投資意欲は強い傾向は変わりないと考えられます。
当⾯は規制強化への懸念が 株価の下押し圧⼒として残る可能性がありますが、規制強化のピークアウトが認識されるにつれ、株価は来年にかけて堅調さを回復すると想定されています。

中国株のセクター

出典:大和アセットマネジメント「中国の規制強化の続報と株式市場の見通し」

株価

出典:大和アセットマネジメント「中国の規制強化の続報と株式市場の見通し」

文献:大和アセットマネジメント「中国の規制強化の続報と株式市場の見通し」