The Wall Street Journalに「新型iPad Pro対MacBook Air、どちらを選ぶべき?」という記事があった、原著4700字を5分で読めるように要約する。
iPad ProとM1搭載MacBook Airの比較
価格
12.9インチの新型iPad Pro(1099ドル~日本では12万9800円~)
M1搭載のMacBook Air(999ドル~)
iPad Proの利点
目を見張るディスプレー
12.9インチのiPad Pro限定で搭載されているのが、「Liquid Retina(リキッドレティナ) XDR」ディスプレー。何千個ものミニLEDを詰め込むことで、他のMacのディスプレーよりも優れたコントラストを実現している。
ミニLEDは個々に明るくなったり暗くなったりするため、精細で豊かな色調が得られる。
第5世代移動通信システム(5G)接続
最新のProでは高速な5Gネットワークを利用できるようになった(携帯電話回線接続モデルはプラス200ドル)。
5G対応のiPadでは「Zoom(ズーム)」でのビデオ会議や容量の大きなファイルのアップロードは問題にならない。
一級品のカメラ
iPad Proの背面には広角カメラと超広角カメラが搭載されている。深度を測定する「LiDAR」スキャナーでは、「メモ」アプリで書類をスキャンしたり、テニス動画分析アプリ「SwingVision(スイングビジョン)」でフォアハンドを判定したりするなど、さまざまな用途にこれらのカメラが使用される。
スピーディーな「Face(フェース)ID」
iPadでは端末のロック解除や決済システム「Apple Pay(アップルペイ)」の承認に指一本動かす必要はない。MacBookも生体認証センサーが付いているが、iPad Proの顔認証システム「フェースID」の方が、MacBookの指紋認証システム「Touch(タッチ) ID」よりも高速で便利。
「Magic Keyboard(マジックキーボード)」
マジックキーボードでの入力は、MacBook Airの改良されたキーボードと同じくらい快適だ。トラックパッドはやや狭いが、ブルートゥース接続のマウスを使用することも可能だ(最新の「iPadOS 14」が搭載されたiPadは全てマウスに対応している)。
画面角度を調整できたり、バックライトが付いていたり、USB-C端子が搭載されている。ただ、キーボード本体の価格は高く11インチモデル用が299ドル、12.9インチモデル用は349ドル。
タッチ方式による精密な入力。
地図や写真は指で動かす方が、マウスでクリックするよりも楽。また「Apple Pencil(アップルペンシル)」(129ドル)は、タブレットをデジタルノートに変えてくれる。「LiquidText(リキッドテキスト)」でPDFの文字をハイライトしたり、「Penultimate(ペンアルティメット)」で検索可能な会議メモを書いたり、「Procreate(プロクリエート)」でスケッチをしたりできる。認識できるような反応の遅れはなく、本物の鉛筆やペンのように筆圧を強くすればするほど、太い線を描ける。
3次元(3D)サウンド。
アップルは昨秋、「ドルビーアトモス」などのマルチチャンネルオーディオ方式のコンテンツ向けにバーチャルなサラウンドサウンドを実現する「空間オーディオ」機能を導入した。この機能はワイヤレスイヤホン「AirPods Pro(エアポッズプロ)」とワイヤレスヘッドホン「AirPods Max(エアポッズマックス)」で利用できるが、MacBookでは(まだ)利用できない。対応しているのは、特定のiOS端末と新型の24インチ「iMac(アイマック)」だけ。
MacBook Airの利点
Macでは、プロセッサーが処理可能な限り多くのウィンドウを開くことができる。MacBookでは「M1」チップによって、たくさん開けるようになった。iPadでは、画面を分割して表示できるのは2つのアプリまでで、同じアプリ内で画面を分割して使えるのは一部アプリに限られる。
長いバッテリー駆動時間
MacBook Airのバッテリーはウェブ閲覧では、15時間持つとされ、iPadではそこまでの駆動時間は得られなかった。
拡張ディスプレー
iPadのアプリの中には外部モニターを使用できるよう最適化されたものもあるが、画面を複数のディスプレーに拡張することはMacでしかできない。
端子が多い
MacBookの方が周辺機器への対応が優れており、USB-C/Thunderbolt端子が2つとヘッドホン端子が1つ付いている。iPad Proにはヘッドホン端子はなく、USB-C/Thunderbolt端子は1つしかない。
多くのプリンターに対応
iPadでは「AirPrint(エアプリント)」対応のワイヤレスプリンターしか使用できないが、MacBookではUSB端子を介してプリンターを接続することもできる。
iOSアプリにも対応
M1チップはiOS端末に搭載されているプロセッサーをベースにしているため、M1搭載のMacBook AirはiOSアプリも実行できる。ただし、「インスタグラム」や外国語学習アプリ「Duolingo(デュオリンゴ)」などMacでアプリを利用できないものもある。
MacOSの方がパワフル
iPadでもかなりのことが可能だが、概してMacの方が有能だ。現在、「Parallels(パラレルズ)」を使用したウィンドウズの実行やハードドライブの再フォーマット、「Steam(スティーム)」向けゲームのプレーはMacでしかできない。現在のところは、iPadOSはMacOSほど有能ではない。
iPad ProとMacBook Airどちらを買うべきか
1990年代からMacが既定の選択肢として用いられていたが、一方iPadはほぼ本格的なコンピューターとなった上、タッチスクリーンや携帯電話回線接続、衛星利用測位システム(GPS)などのセンサーといったスマートフォンの利点も備わっている。
iPad Proのシンプルな使い勝手と先進的なハードウエアか、MacBook Airのパワフルなソフトウエアと拡張性、長いバッテリー駆動時間を選ぶべきかは、最も厄介な決断である。少なくともiPadでMacOSが実行できるようになるか、MacBookでタッチスクリーンが利用できるようになるまでは、、、