病院では薬との関係、集まって食べるため「におい」の影響、食中毒の懸念などで食べれないものがあります。不味いと言われることが多い病院食の原因とその対策について解説します。
病院で食べれないもの
薬との関係で食べれないもの
- 納豆
「心臓の薬」で有名なワーファリンという薬との相性が悪いからです。 ワーファリンは「抗凝固剤」といわれる薬で、血をサラサラにして血栓ができにくく する効果があります。この効果を納豆が弱めてしまうからです。
- ほうれん草、ブロッコリー
ビタミンKが含まれている緑黄色野菜のほうれん草、ブロッコリーを多量に食べると納豆と同じようにワーファリン薬の効果を弱めてしまいます。
納豆は納豆菌が体内でしばらく生き続けてビタミンKを作るので問題になりますが、緑黄色野菜は多量に摂取しなければ問題ありません。
- サプリメント
健康の維持・増進などのために摂取しているサプリメントも薬の作用に影響する場合があります。
医師や薬剤師に確認する方が良いです。
においとの関係で食べれないもの
- 納豆
- にんにく
食中毒の懸念で食べれないもの
- お刺身やなま卵など
不味いと言われる病院食の原因
一般的に病院食は「まずい」と言われていますが、どんな原因があるのか解説します。
安い食事代と塩分制限
1食460円の食事代から食材、人件費、設備費を維持しています。
食事代は保険適応外です、企業努力で頑張っていますが1食460円の食事代をすべて食材に使うことができません。
そのため自宅で豪華な食事をとっている方には病院の食材は安くてまずいと感じます。
塩分制限(常食の塩分10g前後、減塩食6-7g以下)も「まずい」原因です。
しかし、塩分10gは世界では高い方で、アメリカ9.1g、オランダ8.6g、日本10.6g、世界平均10.0gという数字を見ると決して塩分が少ないとは言えないです。
塩分制限する必要のない方は、自分好みで味付けしているため減塩食は「まずく」感じます。
温かいものが食べたいのに、冷えている
病院では、調理後冷めないように保温したり工夫をしていますが、調理場で作ってから患者さんの口に入るまで時間がかかります。
自宅で作り立てを食べている方には、料理ができてから時間がかかり、少し冷めた食事は「まずく」感じます。
食べたいものを食べれない
病院の食事は、一般的に日替わり定食1本のことが多いです。
ただ、主食のメニューをご飯からパンに変えたり、麺に変えたりなど対応している病院は多いです。
あと、食事に関する問題は、少しぐらいの調整なら対応できるので栄養士さんに相談すると良いです。
ゆっくり食べれない、食べたい時間に食べれない
食事の時間が決まっていて、自宅なら自分が食べたい時に食べれますが病院ではそうはいきません。
自宅で食べたい時に「1時間くらいかけてゆっくり食べている方」には慌ただしく感じるかもしれません。
集まって食べるのが苦手な方もいます、食べる環境も自宅のようにはいかないのも「まずく」感じる要因です。
ただ、1人で食べたいなどの希望に対応できる場合もありますから、我慢しないで看護師や栄養士に相談してください。
食欲がない
栄養障害のある方は、体に蓄えている栄養素が不足しているので点滴やお薬で栄養を補給しています。
もとから少食の方は、点滴や栄養補助食に加えて食事もとることは大変なことです。
食欲がないけど食べなくてはいけないのも「まずく」感じる要因だと思います。
食べれない時の対策
塩分制限の必要が無い方は、食事が進むように梅干しやふりかけを用意すると良いです。
これがあればご飯が進むというものがあれば家族に持ってきてもらいましょう。
その際、気をつけるポイントは「なまもの禁」「においのきついのも禁」です。
それでも食べれない方は、医師や看護師、栄養士に相談して家族の方に食事を用意していただくのも有りです。食べないのが治療効果や回復が遅れてしまいます。