国連の世界幸福度ランキング2021年度版では、日本は56位でG7(主要7カ国)のうち最も幸福度が低い結果であった。内閣府が公開した平成20年版国民生活白書によると、日本人は年を取るほど幸福感が下がる傾向であった。
老後とは
日本国語大辞典には、「老後」は年老いたのち。年をとってからあと。
ちょっと曖昧ですね、では、定義ではなくどのように使われているか調べました。
生命保険文化センターには、「老後」とは何歳頃からなのかについては、人によって捉え方がさまざまではあるが、経済的な側面から、公的年金や退職金以外に準備した資金を生活費として使いはじめる年齢を「老後」とする見方と使われ方が主流のようです。
預貯金や個人年金保険、有価証券などの老後資金を使いはじめようと考えている年齢は、平均65.9歳となっています。
幸福度を判断する際に重視する項目
平成 21 年、平成 22 年度の選好度調査結果をみると、幸福感を判断する際に重視し た項目として、上位に「健康」、「家族」、「家計(所得・消費)」、「精神的ゆとり (または自由時間)」となっている。
老後のキーワードで検索すると、老後資金(年金問題を含む)や生きがい、趣味の記事が殆どであるが、老後資金は家計や精神的ゆとりにが上位にきているところからも重視しなくてはいけない要因であるが、生きがい・趣味は下位でありそれほど重視しなくて良いことが分かる。
結論
まずは、健康を維持するように心掛けること、家族を大事にすること、老後資金を準備することが幸せな老後の初め方には重要である。
ただ、「老後には生きがいを持つ」とか「趣味とか余暇の充実させる」とか良く聞くフレーズではあるが、無理に用意したり準備する必要は無さそうだ。
出典:内閣府「国民生活選好度調査」
幸福度の体系図
主観的幸福感は、健康、家族など関係性、経済社会状況の3本柱
- 健康は、精神面・身体面の2つで構成されている。
- 関係性は、家族・地域・自然とのつながりやライフスタイルの4つで構成されている。
- 経済社会状況は、基本的ニーズ・住居・子育てや教育・雇用・社会制度の5つで構成されている。
出典:内閣府「国民生活選好度調査」
年齢別、幸福度を判断する際に重視する項目
男女とも50台後半には、健康が最も重要な項目となっている。
老後のイメージである65歳以降では、男女とも健康、家族、家計の順番となっている。
出典:内閣府「国民生活選好度調査」
年齢毎の主観的幸福度(米国との対比)
年齢と幸福度の関係については、諸外国の調査研究では、U 字カーブをたどるとされる。
つまり、熟年層に入る頃には自分の人生がある程度定まってくるので、人々は若い頃持っ ていた野心を実現することをあきらめざるを得ないから幸福度が下がる。
その後の高齢期 に入ってからは考え方を変え、後半の人生を楽しく充実させようと努力するから幸福度がまた高まるのではないかとの考察がなされている。
しかし、日本では高齢期に入っても 他国(たとえばアメリカ)に比べると幸福度が上昇していかない。
なんで日本だけ高齢期に入っても幸福度が下がっているか?
考え方を変えていない
諸外国では、高齢期 に入ってからは考え方を変え、後半の人生を楽しく充実させようと努力するから幸福度がまた高まると分析されていたが、日本は高齢期に入っても考え方を変えることができていないのか?
幸福度を判断する際の重視する3本柱が欠けている
主観的幸福度の判断には、男女とも健康、家族、家計が3本柱になっていた。
つまり、高齢期になり幸福度が下がるということは、日本は高齢期になりこの3本柱が欠けているのでは無いかと考える。
この3本柱は重要度が高く、どの柱を欠いても幸福度は下がる。
イギリスやアメリカは高齢期の生活保護の受給率が高く、日本のように生活保護を受けることが恥ずかしいことという価値観ではなく、当然の権利だから堂々と受けているようです。
諸外国と比較して違うのは、そこだと思います。
なぜなら、健康や家族は諸外国と比べて日本が劣っているとは感じれません。
生活保護を受ければ楽に暮らせるのに、我慢し、耐える国民性が幸福感を下げているのでは無いでしょうか。
出典:内閣府「国民生活選好度調査」