グローバル5.5倍バランスファンド(1年決算型)、愛称:ゴーゴー・バランスについて調べた。また、投資方法についても検討した。
愛称:ゴーゴー・バランス
ゴーゴー・バランスとは
日本を含む世界の株式、不動産投信(REIT)、債券および金への4資産への分散投資にあたり、 先物取引の活用によって純資産総額の5.5倍相当額の投資を行なう運用手法で、5.5倍バランス・愛称:ゴーゴー・バランスと呼んでいる。
特色
- 世界の株式、REIT、債券および金の4資産への分散投資により、 収益の獲得をめざす。
- 先物取引を積極的に活用し、信託財産の純資産総額の5.5倍相当額の 投資を行なう。
- 年1回(毎年12月21日)、決算を行なう。
資産配分比率
資産配分比率は、設定時において過去データの検証に基づき、「株式・REIT」と、「債券・金」のリスクの大きさが概ね同程度となる(釣り合う)ような比率に定めている。
出典:nikko am
現物・先物に投資するかの観点から図解すると、下記のようなイメージになる。
出典:nikko am
例えば100万円を投資した場合、実質的な投資額がどのように配分されるかは下の表になる。
出典:nikko am
バランスファンドであるが基準価格変動リスクが大きい
普通のバランスファンドは資産を「守るために分散」
バランスファンドは、通常、資産を増やすことより資産を守ることを目的に4資産に分散投資するものである。
そのため、バランスファンドは、株式、REIT、債券および金どの単一資産より値動きが少なく暴落に強いとされています。
出典:nikko am
ゴーゴー・バランスは、資産を「増やすための分散」
過去のシミュレーションにより4資産を効率的なリターンになるように組み合せることで長期の累積リターンは一般的な株式やREITを大きく上回るように設定している。
つまり、効率的なリターンのため、高めのリスクを受け入れることが普通のバランスファンドと違うところです。
先物取引を積極的に活用しているため、基準価額変動リスクが普通のバランスファンドと比べて大きくなることを受け入れた投資になります。
過去シミュレーション
過去のシミュレーションにおいて効率的なリターンになるように4資産を設定したので、当然ですが世界株式に比べ高いリターンになっています。
これは、シミュレーションの結果であり、運用実績ではありません。
出典:nikko am
各年の1年間の騰落率を高い順に並べたもの 期間:2003年~2019年 ただし2003年は3月末から、2019年は11月末までの騰落率。
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こちらは、2013年から2019年までのランキング
出典:nikko am
投資判断
過去のシミュレーションにおいて4資産を効率的なリターンになるように設定していて魅力的で気になるところではあるが、投資することに懸念がある。
投資することの懸念
信託期間が短い
2020年2月12日に設定され、信託期間が2029年12月21日となっている。
残り年数が8.4年
老後の蓄えとして、最低10年は運用したいと考えているので8.4年は短く感じる。
また、信託期間の終了日が決まっているので、出口戦略を意識した投資を行う必要がある。
金利上昇による国債の下落
このファンドは、先進国国債への投資比率は純資産総額の400%程度となっているため、過去のシミュレーションでは、 金利上昇局面において一時的にパフォーマンスが悪化する傾向がみられた。
しかし、その後は世界株式の上昇が牽引役となったことで、比較的早期の回復を遂げたが、リターンは世界株式より低くなっていた。
出典:nikko am
基準価格の変動が激しい
過去のシミュレーションと現代ポートフォリオ理論から効率的なリターンになるように設定された、このファンドは個人的には大変興味がある。
ただ、バランスファンドでありながら資産を「守るための分散」でなく、「増やすための分散」になっているため変動が激しい。
出典:nikko am

投資戦略
過去のシミュレーションと現代ポートフォリオ理論から効率的なリターンになるように設定された、このファンドは良く考えられていて長く投資を継続することで理論的な効果が実証されるのではないかと考える。
中途半端な感じはある
- 高いリターンを狙うのに3資産にレバレッジをかけて投資する必要があるのか、普通に株式投資で良いのでは?
- 4資産に分散しても下落局面に弱いのであればバランスファンドにする必要があるか?
投資戦略は、積立ての少額投資
このファンドを投資のメインとして考えると疑心暗鬼になるが、理論上は投資効率が良いとされているこのファンドが実践に強いかどうか育ててみたい好奇心があるので、実験のつもりで少額積立をベースに投資することに決めた。
- 実験のつもりで、毎日、少額(100円〜200円)の積立投資。
- 今後、金利上昇の局面では、このファンドは一時的に下落すると予測できるので、その時に買い増しする。