大腿骨頸部骨折のリハビリテーション、理学療法

大腿骨頸部骨折医療

厚生労働省の調べによると、65歳以上で要支援・要介助状態になる原因として最も多いのが運動器疾患です。

 大腿骨頸部骨折は年毎に増加しています。

 大腿骨頸部骨折は高齢者の代表的な骨折で、骨折後の日常生活動作能力や人生の質をを大きく損なう原因になっています。

大腿骨頸部骨折のリハビリテーションについてまとめました。

 

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大腿骨頸部骨折とは

大腿骨頸部骨折のリハビリ

大腿骨頸部骨折とは、大腿骨のつけね部位の骨折です。

加齢や運動不足にともない骨密度が減少します。

高齢者は、バランス能力の低下・筋力の低下・関節の可動域制限が起きやすく、それにより転倒して骨折します。

大腿骨頚部骨折は、高齢女性に好発します。男女比は1:4くらいです。

大腿骨頚部は湾曲しているため構造的に外からの力が加わりやすいことも、転倒時に大腿骨頸部が骨折しやすい要因です。

 

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症状

大腿骨頚部骨折が生じると、大腿骨の付け根に痛みを感じます。

立ったり歩いたりできないことが多いです。

また、大腿骨を動かすこともできなくなることが多く、寝ている状態からの膝立てや足を持ち上げることができなくなることが多いです。

 

原因

転倒

大腿骨頚部骨折の原因で最も多いのは転倒です。

転倒により大腿骨頸部が骨折しやすいのは、湾曲のため外からの力が加わりやすい点、と加齢や骨粗鬆症による骨密度低下です。

 

治療

骨折後の生命予後においても機能予後においても手術成績が保存治療の成績を上回っているため、多くの場合で手術療法が選択されます

手術する時期は、遅れると合併症が生じ全身状態が悪化するため、なるべく早期(1週間以内)に手術することが推奨されています

手術は、骨同士を金具で固定する骨接合術や、大腿骨頭を人工物に取り替える人工骨頭置換術や人工股関節置換術を行います。

リハビリテーション

術後の合併症予防や運動機能を低下させないため、できるだけ早期にリハビリテーションを開始します。

筋力低下は、1日寝ているだけで筋力は1〜3%低下するといわれています。

高齢者の筋力は、低下しやすく増えにくい特徴があるため、できるだけ筋力を落とさないようにリハビリテーションを進めます。

目標(ゴール)

目標(ゴール)は、受傷前の生活動作まで回復させることを目標にします。

しかし、実際に到達できる状態は受傷前の能力から1段階下がることが多いです。

例えば

杖なしで歩いていた ⇨  杖歩行

杖歩行 ⇨ 四点杖歩行、両杖歩行、歩行器歩行、シルバーカー歩行

シルバーカー歩行 ⇨  シルバーカー歩行、車椅子生活

理学療法

翌日

車椅子移動

多くの場合、手術の翌日から理学療法を開始します。

痛みに配慮しながら離床(ベッドから離れること)を目的に車椅子に乗ります。

車椅子に座った状態で、患部以外で動かせる部位の軽い運動をします。

もちろん、血圧や体温など測定しながら無理ないように進めます。

 

2日目以降

平行棒内歩行

患部の痛みに配慮しながら平行棒内で起立練習を行います。

平行棒内で歩けるようなら平行棒内歩行を行います。

歩行器歩行

平行棒内歩行が連続して5往復歩けるようになったら、次は歩行器歩行を行います。

杖歩行

歩行器歩行が自立し、病棟でも1人で行えるようになったら杖歩行を行います。

杖歩行が自立し、病棟でも1人で行えるようになったら杖なし歩行を行います。

歩行を自立にする判断基準については ⬇︎ を参照してください。

 

歩行を自立にする判断基準を持っていますか?
歩行を自立にする判断基準を持っていますか?歩行時の転倒は経験しないに越したことはないです。もし、転倒したときに自立と判定した基準を説明できないと問題になります。歩行自立とする基準について説明します。

 

トイレ動作

 

トイレ動作

歩行と同じようにリハビリのメインとなるのがトイレ動作です。

トイレ動作の自立は、家族が退院の条件にしていることが多く、自宅に戻れるかどうかの分かれ道になります。

早い段階からオムツ⇨リハビリパンツ⇨パンツにして、トイレで排泄動作を行います。

 

退院までの期間

退院までの期間は、個人差がありますが1〜2ヶ月ぐらいが多いです。

退院は期間で決まるのではなく、患者さんが元の生活に戻れるようになったら決めます。

患者さん、家族、医師、リハビリスタッフで相談しながら退院日を決めます。

元の生活に戻るのに、介護用具やヘルパーさんが必要な時は社会福祉士が相談役になって支援します。