デンマークの年間平均労働時間は1,392時間、日本は1,680時間で300時間の差がある。また、デンマークは週37時間で、残業もほとんどない。これほど労働時間が少ないにもかかわらず、労働生産性は高く、一人当たりGDPは世界第9位で55,138ドル、時間当たり労働生産性は第5位で77.1ドルである。
デンマークの働き方
- 年間平均労働時間は1,392時間で主要38か国中37位
- 労働時間は週37時間、残業なし。
- 時間外労働手当が賃金の150~200%。
- フレックスタイム制
- 有給休暇は5〜6週間
企業は残業や休日出勤を推奨しない、仕事は勤務時間内に終わらせるのが当然と考えられていて、ほとんどの企業がフレックスタイム制を導入している。
帰宅ラッシュのピークは、15時半~17時で18時頃には家族みんなで一緒に食事をとるのが標準的な生活スタイルです。
有給休暇は年に5~6週間で、多くの人は夏休み(6月下旬~8月中旬)に、家族旅行や子供の世話のために取得します。
労働する場所や時間を拘束することは生産性にマイナス
日本でもコロナ禍でリモートワークが促され、従来の時間と場所を拘束するオフィス勤務よりリモートワークの方が生産性が高くなることが知られてきた。

デンマークでは、以前からIT企業などでは在宅勤務が一般的であり、必要な時だけ出勤するハイブリッドで効率的な労働環境が整っている。
デンマークの人の労働観と日本の課題
デンマークの人の判断基準になっているのは「幸せ」かどうかが重要です。
自分の能力以上に無理することをしない。仕事に満足度を感じているか、やりたいことがやれているか。
国から企業に、そして管理職に「幸せな労働環境づくり」が求められています。
何より日本と比較し大きく違うのは、デンマークでは大学を含むすべての教育費が無料で、政府から生活費として毎月約12万円が支給されるところです。
日本で少子化が進んでいる要因に異常にかかる教育費の負担があり、労働者の所得が伸び悩んでいる、むしろ減少している状況下でも教育費は増えている。
医療費控除はあるが教育費の控除がない、子供はいずれ労働者になり国にたくさんの税金を納めるようになるのに政府の支援が少なく、親の負担が大きいのが課題である。
日本人は「忍耐こそ美徳」という文化が未だに残っているが、そろそろデンマークのように「幸せ」かどうかを判断基準にする文化が育って欲しいと願う。