認知症予防、軽度認知障害(MCI)は早期発見で正常レベルに回復

認知症治療医療

 認知症と軽度認知障害の患者さんは、65 歳以上で 4 人に 1 人の割合といわれています。軽度認知障害の段階で治療することで、認知症への進行を遅らせることができ、正常なレベルに回復することができます。

 

 

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認知症と軽度認知障害(MCI)の割合

 認知症およびMCIの患者数は年々増加し、厚生労働省の発表によると、65歳以上の高齢者において、4人に1人は認知症もしくは軽度認知障害といわれています。

 

認知症の将来推計

出典:三菱UFJ信託銀行

 

認知症の年齢別

出典:三菱UFJ信託銀行

 

 アルツハイマー型認知症は認知症の約5割から7割を占めています。

 

認知症の分類  出典:厚生労働省健局

 

 アルツハイマー病によるMCIの患者数データはありませんが、認知症の多くをアルツハイマー型認知症が占めることを踏まえると、多くのMCIがアルツハイマー病によるMCIであることが予想できます。

 

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アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)とは

 軽度認知障害は認知症の一歩手前の状態で、MCI(Mild Cognitive Impairment)とも呼ばれています。

 認知症における物忘れのような記憶障害が出るものの「日常生活において周囲に影響を及ぼすほどの支障をきたしている程度かそうでないか」で、正常範囲と認知症の間のグレーゾーンです。

アルツハイマー

出典:相談e-65.net(エーザイ株式会社)

 

 軽度認知障害と診断された患者さんの約 50%が、軽度認知障害の段階で対策をとらずに放置していると、5 年以内に認知症に進行するといわれています。

一方、この段階で治療することで、5年後に38.5%が正常に回復したという報告あり、治療効果が得られやすい時期でもあります。

 

軽度認知症について

出典:厚生労働省健局

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アルツハイマー病によるMCIの症状

アルツハイマー病によるMCIは「記憶障害」が主症状となります。

物忘れは歳を重ねれば誰にでも見られるものですが、アルツハイマー病によるMCIは、年齢に見合わないほどの物忘れが特徴です。

認知症軽度

出典:厚生労働省健局

 

例えば、次のような言動が特徴的です。

  • 少し前に聞いたことを忘れて何度も確認を繰り返す
  • 世間を騒がせた最近の大きなニュースの内容の記憶があいまい
  • 数週間前の特別なイベントの内容があいまい(誰の結婚式、どこで開催されたなど)
  • 少し前のことでも忘れてしまうことがよくある知っているものや人の名前を思い出せない
  • 物の置忘れ、しまい忘れが増える
  • 同じ話を繰り返す
  • 気力の低下、身なりに無頓着になる
  • 好きだった趣味を辞めてしまう
  • 会話について来られない
  • 予定を忘れる
  • 最近の出来事が思い出せない
  • 道に迷う
  • 段取りが悪くなる
  • 料理に時間がかかる、味付けが変わる
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アルツハイマー病によるMCIは早期発見が重要

 アルツハイマー病の原因とされるアミロイドベータは、アルツハイマー型認知症を発症する20年くらい前から蓄積し始めていると考えられており、アルツハイマー病によるMCIの段階では、脳内にはアミロイドベータが相当蓄積してしまっていると考えられています。

 しかしながらアルツハイマー病によるMCIと診断されても、アルツハイマー型認知症を発症するまでの速度はそれぞれです。

 適切な対策や治療を行うことで発症を遅らせられる可能性があります。 アルツハイマー病によるMCIの対策・治療は、早期であればあるほど効果が高いとされています。

 本人・家族が早期に気がつき、医師に相談することが何より重要です。

 

認知症発症までの経緯

出典:医療法人社団 江頭会 さくら病院

 

MCIを早期発見する血液検査

アルツハイマー病はアミロイドベータペプチドという老廃物が脳に蓄積し、神経細胞を破壊することで発症します。

アルツハイマー病の前段階であるMCIを早期発見する検査に血液検査があり、この検査では、アミロイドベータペプチドを排除する機能を持つ血液中の3つのタンパク質を調べることで、MCIのリスクを判定します。

血液検査

家庭でできる対策

 医師の指導を受けながら、できることから少しずつ始めてみましょう。

運動

 ウォーキングやジョギングといった有酸素運動です。
有酸素運動で持続的に体内に酸素を取り入れると、酸素によって脳に活発に血液が運ばれ、脳の血流が増加し、脳が若く保たれることが研究でわかっています。

 適度な運動で脳の血流も改善されます。週に 3 日、1 回 30 分ほどの有酸素運動が効果的です。

 さらに効果を高めるには、ウォーキングしながら頭で計算したり、しりとりするなど、ふたつのことを同時に行うことで脳の血流量がよりアップし、認知症予防に高い効果が期待できるとされています。

食事

 認知症の人の食は、野菜や果物不足、魚よりも肉の偏食が目立つという報告があります。

 認知症への進行を予防するためには野菜や果物でビタミン C と E、カロチン をしっかりとる、魚を食べて不飽和脂肪酸を多くとることが大切です。

  • 野菜・果物(ビタミンC、E、βカロチン)をよく食べる
  • 魚(DHA、EPA)をよく食べる
  • 赤ワイン(ポリフェノール)を飲む

 

認知機能のトレーニング

 軽度認知障害の段階で低下する認知機能が、エピソード記憶、注意分割機能、行動管理力 (計画力)と呼ばれるもので、この能力が低下しないように認知機能トレーニングで鍛えましょう。

 自身が楽しめないと続けることがストレスになり、かえって逆効果となる可能性があるので、以前から興味があったものから試してみるとよいでしょう。

  • エピソード記憶 :以前の出来事を、時間や場所、一緒にいた人やその時の気持ちなどを絡めて記憶する力です。

→ 日記を 2 日後や 3 日後に思い出しながら書いたり、買い物の記録をつけたりする。

 

  • 注意分割機能:同時に複数のことをこなす、複数のことに同時に注意をする力です。

→ みそ汁とおかず を同時に料理する、など「ながら」で訓練する。

 

  • 行動管理力(計画力): 外出や旅行、買い物などの計画を立て実行する力です。

→ 料理のレシピを作 る、ゲームをする、などで訓練する。

  • その他:好きなパズルやゲームに挑戦したり、麻雀や囲碁をしたり、手紙や文章を書くなど自宅で できることの他、興味のある美術館や博物館に行くなど外出を伴うものも脳への刺激があり効果的です。

睡眠

 夜間に十分な睡眠を確保することが重要です。

 朝は決まった時間に起床し、日光をしっかり浴び、日中はよく活動すると良く眠れるようになります。

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