デフレを克服できない、高齢化社会、労働人口の減少、ワクチン接種の遅れなど日本で生活していると不安になることばかりであるが、なぜか日本人は為替を気にしていない。それは、「円」が安全通貨として世界で定着しているからである。
最強のFX通貨ランキング
ZUU online 編集部の記事に、国際ランキングサイト「Top10For」が選ぶ「最強のFX通貨トップ10」が掲載されていた。
日本円は米ドルに続く堂々の2位に輝いた。
1位 「米ドル」
世界最大の基軸通貨という強みをもつ米ドルが1位である。
通貨も株も米国が世界の軸であり、無敵である。
世界中に広く行きわたる供給量、価格変動の少なさ、流動性など世界最強の通貨である。
2位 「日本円」
安全通貨として定着している「円」は、アジア最強の通貨といわれている。
3位 「ユーロ」
1993年の欧州連合発足を機に、2002年に現金通貨として誕生。
「ユーロ」は、ユーロ加盟国を含む欧州25カ国で使用されている。
ドルと組んで取引されることが最も多い通貨である。
4位 「スターリング・ポンド」
スウェーデンと同じくEU共通通貨であるユーロではなく、自国の通貨に強いこだわりを持つ英国「英ポンド」は価格変動の激しいことで知られている。
世界7位の経済大国である英国通貨は、世界のFX市場では絶大な信用がある。
5位 「カナダ・ドル」
豊かな資源と発達した工業で知られるカナダ・ドルは、国際市場で最も頻繁に取引されている通貨の1つである。カナダは世界10位の経済大国。
6位 「スウェーデン・クローネ」
英国と同じようにスウェーデンも2003年のEU加盟後も自国通貨を継続使用している。
7位 「豪ドル」
1966年に英ポンドに連動していた豪ポンドから豪ドルに切り替えて以来、本国とポリネシアの一部の地域で用いられている。
米ドルやユーロとトレードされることが多い。値動きが大きい高金利為替通貨として日本でも人気である。
8位 「ノルウェー・クローネ」
欧州にありながらEUに加盟していないノルウェーが守る自国通貨。
原油と天然ガスの輸出が経済基盤であるノルウェーだが、決済通貨として米ドルを採用しているため、原油価格に影響されないという強みがある。
9位 「香港ドル」
中華人民共和国香港特別行政区の法定通貨。
中国は世界2位の経済大国である。
10位 「スイス・フラン」
第二次世界大戦中は「世界最強の通貨」といわれたスイス・フラン。
世界の通貨の中で安定度は高い。
「円」は世界一安全な通貨
27年連続で世界最大の対外債券国
米国ブルームバーグ通信によると、米国の投資銀行ゴールドマン・サックス所属のエコノミストらが2017年7月10日(現地時間)に出した報告書で、日本円が世界一安全な通貨と分析されたという。
世界一安全な通貨というのは、世界で金融・財政危機などの悪材料が重なり市場が混乱したときは「円」が安全資産として買われることを意味する。
円が世界一安全な通貨と分析された根拠は、「日本が世界で一番外貨建ての資産を保有している国」だからである。
財務省が前年分について公表する『本邦対外資産負債残高の状況』によると、2017年末、日本の企業や政府、個人が海外に持つ資産から負債を引いた対外純資産残高は328兆4470億円で27年連続で「世界最大の対外債権国」という座を維持した。
また、日本の国債は国民がほとんど所有していることも、量的緩和という借金をしても通貨価値が下がらない理由である。