米国で、ファイザー製COVID-19ワクチンを初回投与した189万3,360回のうち21例(11.1例/100万回)にアナフィラキシーが発現し、71%は15分以内に発症したが、治療を受け全員回復した。
米国疾病予防管理センター(CDC)の発表(2021年1月6日)
米国では2020年12月23日の時点で、Pfizer-BioNTechのCOVID-19ワクチンの1回目の投与が189万3,360人(女性117万7,527人、男性64万8,327人、性別不明6万7,506人)に実施され、4,393例(0.2%)に有害事象が報告された。
そのうち、アナフィラキシーを含む重度のアレルギー反応の可能性がある175例を調査した。
これらのうち21例(11.1例/100万回)がアナフィラキシーと判断され、うち17例はアレルギーまたはアレルギー反応の既往があり、そのうち7例はアナフィラキシーの既往があった。
ファイザー-BioNTechCOVID-19ワクチンの接種後にアナフィラキシーの症例が報告されたほとんど(90%)は女性で発生した。
投与から症状発現までの中央値は13分(範囲:2〜150分)で、15分以内が21例中15例(71%)、15〜30分が3例(14%)、30分を過ぎて発現したのは3例(14%)であった。
治療については、21例中19例(90%)がアドレナリン(エピネフリン)で治療され、1例は皮下、18例は筋肉内に投与された。
21例中4例(19%)が入院し、17例(81%)が救急科で治療を受けた。
その後の情報が入手可能な20例全員が回復もしくは退院した。
Pfizer-BioNTech COVID-19ワクチンの接種後、アナフィラキシーによる死亡は報告されていません。
まとめ
- CDCではワクチン接種後15~30分は、アレルギー反応に注意して観察することを推奨している。
- ワクチンの場所にはアナフィラキシーを管理するために必要な物資を用意し、ワクチン接種後の観察期間を実施し、エピネフリンの筋肉内注射でアナフィラキシーの兆候と症状を経験している人を直ちに治療する必要があります。
- アナフィラキシーの既往のある方、女性の方は特に注意して観察する。
- Pfizer-BioNTech COVID-19ワクチンの接種後のアナフィラキシーは治療により全員回復し、死亡例は報告されていない。
COVID-19ワクチンの臨床試験における有害事象
局所反応
- 疼痛
- 発赤
- 腫脹
全身反応
- 発熱(38°以上)
- 倦怠感
- 頭痛
- 寒気
- 嘔吐
- 筋肉痛
- 関節痛
懸念
- 1回目より2回目の方が有害事象の頻度が高くなる
- 臨床試験の被接種者は白色人種がほとんどでアジア系の割合が少ない。
- 長期的な有害事象の観察ができていない
発生予防効果
Pfizer/BioNTech社ワクチン
2回目接種後7日以降の発症予防効果は95%
モデルナ社のワクチン
2回目接種後14日以降の発症予防効果は94.1%