新型コロナワクチン、子どもへの接種について、日本小児科学会

小学校医療

新型コロナワクチン「子どもならびに子どもに接する成人への接種に対する考え方」について日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会から報告されている。2500字を3分で読めるように要約した。

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要旨

  • 子どもを新型コロナウイルス感染から守るためには、周囲の成人への新型コロナワクチン接種が重要です。
  • 重篤な基礎疾患のある子どもへのワクチン接種により、新型コロナウイルス感染症(以下、 COVID-19)の重症化を防ぐことが期待されます。
  • 健康な子どもへのワクチン接種には、メリット(感染拡大予防等)とデメリット(副反応 等)を本人と養育者が十分理解し、接種前・中・後にきめ細やかな対応が必要です。

 

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はじめに

国外での小児(12~15 歳)を対象とした接種経験等 をもとに、わが国でも 2021 年 5 月 31 日に 12 歳以上の小児へのワクチン接種が承認され、同年 6 月 1 日から適用となりました。

国内では小児に対するワクチン接種後の副反応に関する情報はありません。

一方で、国内の医療関係者約 2 万人へのワクチン接種後の重点的調査(コホート調査)から、接種部位の疼痛等の出現頻度が高く、若年者の方が高齢者より接種後に発熱、全身倦怠感、頭痛等の全 身反応を認める割合が高いことが明らかになっています。

 

子どもに関わる業務従事者等へのワクチン接種が重要

子どもへの感染源の多くは周りにいる成人であることから 、子どもを感染から守るためには、周囲の成人が免疫を獲得することが重要と考えます。

 

子どもへのワクチン接種の考え方

重篤な基礎疾患のある子どもへの接種

国外では、神経疾患、慢性呼吸器疾患および免疫不全症を有する子どもの新型コロナウイ ルス感染例において、COVID-19 の重症化が報告されています 。

国内においても接種対象年齢となる基礎疾患のある子どもの重症化が危惧されますので、ワクチン接種がそれを防ぐことが期待されます。

しかし、高齢者と比べて思春期の子ども達、若年成人では接種部位の疼痛出現頻度は約 90%と高く、接種後、特に 2 回目接種後に発熱、全身倦怠感、頭痛等の全身反応が起こる頻度も高いことが示されています。

以上のことから、ワクチン接種を検討する際には本人および養育者に十分な接種前の説明と接種後の健康観察が必要であると考えます。

基礎疾患を有する子どもへのワクチン接種については、本人の健康状況をよく把握している主治医と養育者との間で、接種後の体調管理等を事前に相談することが望ましいと考えます。

 

健康な子どもへの接種

12 歳以上の健康な子どもへのワクチン接種は意義があると考えています。

COVID-19 予防対策の影響で子どもたちの生活は様々な制限を受け、子どもたちの心身の健康に大きな影響を与え続けています。

小児 COVID-19 患者の多くは軽症ですが 、まれながら重症化することがありますし 、同居する高齢者の方がいる場合には感染を広げる可能性もあります。

なお、子どもがワクチン接種をした場合、その後のマスク着用などの感染予防策の解除 については、今後の流行状況などを踏まえて慎重に考える必要があります。

子どもへのワクチン接種は、先行する成人への接種状況を踏まえて慎重に実施されることが望ましく、また、接種にあたってはメリットとデメリットを本人と養育者が十分に理解 していること、接種前・中・後におけるきめ細かな対応を行うことが前提であり、できれば 個別接種が望ましいと考えます。

やむを得ず集団接種を実施する際には、本人と養育者に対する個別の説明をしっかり行う配慮が望まれます。

ワクチン接種を希望しない子どもと養育者に対しては、特別扱いされないような十分な配慮が必要と考えます。

小児 COVID-19 が比較的軽症である一方で、国外での小児を対象とした接種経験等では、 ワクチン接種後の発熱や接種部位の疼痛等の副反応出現頻度が比較的高いことが報告され ています 。

十分な接種前の説明がないまま副反応が発生することがないようにすることが 重要です。

最近イスラエルや米国などから、若年男性におけるワクチン接種後の心筋炎の発症が報告されています 。

ワクチンとの因果関係やその臨床像・重症度についても、まだ十分な情報は得られていませんが、学会として今後も情報を収集し発出していきます。

日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会では、小児の COVID-19 に関する論文を抄訳して学会ホームページ上で発表しています。 今後も新たな情報をもとに更新していきます。