子どもは、背が伸びたり、体重が増えたりと、成長する大事な時期。しっかりした身体をつくりのためには、毎日の食事がとても大切です。食事バランスガイドを参考にして、「朝・昼・夕の食事」と「おやつ」をしっかりとりましょう。
「食事バランスガイド」とは
食事バランスガイドとは、1日に、「何を」、「どれだけ」食べたらよいかを考える際の参考にしていただけるよう、食事の望ましい組み合わせとおおよその量をイラストでわかりやすく示したものです。
健康で豊かな食生活の実現を目的に策定された「食生活指針」(平成12年3月)を具体的に行動に結びつけるものとして、平成17年6月に厚生労働省と農林水産省が決定しました。
何を
出典:農林水産省
「食事バランスガイド」は、5つの料理グループ(主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物)からできていて、どれかが足りないとコマが倒れてしまいます。
それぞれのグループをどれだけ食べたら良いかの量は、1つ、2つ(つ:SV)で数えます。
それぞれの(つ)は、グループごとに数えます。たとえば主菜をたくさん食べるために副菜を減らすといったことはできません。
出典:農林水産省
どれだけ
1日分の各グループのつ(SV)は次のようになっています。
料理例を参考にして、各グループの1日分の数(つ)を摂取しましょう。
出典:農林水産省
対象者の年齢、性別による各グループの数(つ)は次のようになっています。
お子さんの年齢に該当するエネルギー量を参考に各グループの数(つ)を摂取しましょう。
出典:農林水産省
上の図で分かりにくいときは、下の図を参考にエネルギー量と適量をチェックしましょう。
出典:農林水産省
※1 身体活動量の見方
- 「低い」:1日中座 ていることがほとんどの人
- 「ふつう以上」:「低い」に該当しない人
※2 学校給食を含めた子ども向け摂取目安について 成長期に特に必要なカルシウムを十分にとるためにも、牛乳・乳製品の 適量は少し幅を持たせて1日2~3つ(SV)、「基本形」よりもエネル ギー量が多い場合では、4つ(SV)程度までを目安にするのが適当です。
給食はバランス食の見本
5つの料理グループがそろっている給食
毎日食べている給食には、主食、主菜、副菜、牛乳・乳製品、果物という5つの料理グループがそろっています。
また給食は、私たちのからだに必要なエネルギーの約3分の1がとれるように、栄養士さんが献立を考えています。
毎日のメニューを見ながら、何をどれだけ食べたらいいのかを、もう一度考えてみましょう。
子どもの食育の特徴
朝がイチバン
私たちの脳は“ブドウ糖”をエネルギー源として使っています。
朝起きたときに頭が「ボーッ」としてしまうのは、寝ている間にブドウ糖が使われて足りなくなってしまうためです。
朝食を食べないと、午前中、からだは動いても頭はボンヤリ、ということになりがちです。
脳のエネルギー源のブドウ糖を朝食でしっかり補給し、脳とからだをしっかり目覚めさせましょう。
ごはんなどの主食には脳のエネルギー源になるブドウ糖が多く含まれているので、朝から勉強や仕事に集中できるのです。
朝食は一日を活動的にいきいきと過ごすための大事なスイッチ。毎朝ちゃんとスイッチを入れましょう。
おやつの工夫
- 夕食の時間はそれほど遅くなりません
おやつは軽めに、楽しむ程度にしましょう。
お菓子やジュースは200kcal(キロカロリー)以内にとどめましょう。
あまりたくさんのおやつを食べると、夕食のとき、必要な栄養素をとることができなくなってしまいます。
- 塾や習い事で夕食の時間が遅くなります
軽い食事と考えて、出かける前におにぎりや野菜スープなどをとるといいでしょう。
夕食までの空腹感をやわらげ、家に帰ってから食べ過ぎるのを防いでくれます。
夜食は脂肪としてからだにたまりやすいだけでなく、翌朝も食欲がなくなってしまいますから脂肪が少なく消化の良いもの、軽めの食事にしましょう。
- スポーツを頑張っています
バランスのよい食事には、からだをつくる栄養素がそろっています。
また、運動量の多い子どもは少ない子どもよりエネルギーを必要としているので、主食のごはんをはじめ、しっかり食べましょう。
スポーツの上達には、練習はもちろんのこと、食事によるからだづくりがとても大事。
おやつもお菓子ばかりに目を向けず、足りない栄養を補うように、果物や牛乳・乳製品を積極的にとりましょう。
カルシウムの摂取量は不足しがち
口から摂取したカルシウムは、小腸で吸収されます。ですが、食材に含まれているカルシウムが全て吸収されるわけではありません。
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、腸管の吸収率、骨代謝、尿中排泄量を考慮し、1日の推奨量が決められています。
1日の推奨量は年齢、性別で異なり、骨が大きくなる成長期には、カルシウム推奨量もそれに伴い多くなっています。
カルシウム摂取量は不足しがち
日本人のカルシウム摂取量は不足しがちといわれますが、どのくらい不足しているのでしょうか。
2019年の「国民健康・栄養調査」によると、全年代の1日の平均摂取量は男性520mg、女性509mgでした。この数値は、全年代の推奨量には足りていません。
出典:農林水産省
「食とからだ」チェックシート
診断
食べ物の好き嫌いはないですか?丈夫なからだづくりは、毎日いろんなものを食べることから始まります。
このチェックシートは、親子で楽しくチェックできるように作られています。
出典:農林水産省
Aの方
好き嫌いなく、3食きちんと食べているようですね
3食きちんと食べて、好き嫌いのないあなたはすばらしい。
食事はあなたのからだに必要な栄養を取り入れるために、大切なことです。もし、あなたが週に2回以上、体育の授業以外でスポーツをしていれば、なおさら食事は大切。
ごはんやパン、おかずもしっかり食べましょう。
肉や魚を使ったおかずと、野菜中心のおかずは、どちらもからだをつくったり、からだがスムーズに働くために必要です。
これからも好き嫌いなく食べましょうね。
Bの方
朝食も食べて、栄養をしっかりとりましょう
好き嫌いも少なくて、食べることの楽しさや大切さをわかっていますね。
ただ、食事の回数がやや少ないみたいです。
あなたが成長したり活動したりするためには、いろいろな栄養素が必要で、1日2回の食事ではその栄養素をしっかりとるのが難しいのです。
午前中、頭がぼーっとしたり、眠たいままだったりするのは、朝食を食べない子どもに多いんだって。
少しずつでもいいから朝食を食べるようにしてみましょう。
Cの方
お菓子は控えめに!ごはんをしっかり食べましょう
食べることは好きなんですね。
食事は心にも栄養をくれるから、楽しく食べるのはとっても大切です。
ただ、お菓子や甘いものは、骨や筋肉をつくるための栄養素が少なく、食べ過ぎると太りやすいから、まず、ごはん(食事)をしっかり食べて、外でいっぱい遊んでからだを動かそう。
あなたは、まだこれから背も伸びるでしょうから、ダイエットするかどうかは保健の先生やお父さん、お母さんと相談してね。
Dの方
苦手な食べ物にも挑戦して、バランスの良い食事を!
好きなものを食べることは楽しいね。
楽しく食べるのはとっても大切なことです。
でも、好きなものばかり食べていると、からだをこわして、すぐ風邪をひいてしまいます。
元気に遊んだり、勉強したりするためには、苦手な食べ物にも少しずつチャレンジしてみましょう。
カッコイイお兄さんやキレイなお姉さんになるためにも必要なことなんだよ。
Eの方
ごはんを楽しく食べることから始めましょう
食べることはあまり好きじゃないみたいですね。
でも、小さいころに好き嫌いが多くても、大人になると食べられるようになる人も多いから心配はいりません。
それよりも、まず、ごはんを楽しく食べましょう。
外でからだを動かしたり、友達と遊んでおなかをすかせるとごはんが楽しみになりますよ。
ごはんを食べながら、家族と今日一日のことを話すのも、楽しい食事にはとても大切です。