介護保険の申請から利用を厚生労働省の資料で解説、20年の推移

介護保険医療

 介護保険制度は、平成12年からスタートし20年経った。サービス利用者数は約3.2倍に増加し高齢者の介護に無くてはならないものとして定着・発展している。しかし、利用できるのに申請の仕方が分からなくて介護に苦しんでいる家族を見かけることがあるので解説する。

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介護保険とは

介護保険とは、 介護が必要な方(要支援者・要介護者)が介護サービスを受けることができ、その費用の一部を給付する制度です。

医療保険は国が制度を運営していますが、介護保険は市区町村が制度を運営します。

65歳以上の方は、介護が必要と認定された場合、いつでもサービスを受けることができます。

また、40歳から64歳までの人は、介護保険の対象となる特定疾病により介護が必要と認定された場合は、介護サービスを受けることができます。

 

※ 介護サービスを利用するには要介護(要支援)認定を受ける必要があります。

 

介護保険サービスの対象

65歳以上の人
→ 寝たきりや認知症などにより、介護を必要とする状態(要介護状態)になったり、家事や身じたく等、日常生活に支援が必要な状態(要支援状態)になった場合。
40歳~64歳までの人
→ 初老期の認知症、脳血管疾患など老化が原因とされる病気(※特定疾病)により、要介護状態や要支援状態になった場合。
特定疾患

介護保険の財源構成

介護保険の財源は40歳以上の方から介護保険料として徴収した保険料と、国や都道府県、市町村の公費が財源になっています。

介護保険の財源
    出典:厚生労働省

介護保険制度の仕組みと自己負担

介護保険制度の仕組みは下の図の通りです。

要介護認定を受けた方が、介護保険サービスを利用すると、その対価として介護事業者に「介護報酬」が支払われます。

介護報酬は、利用者の「自己負担額」と「介護給付」から成り立っています。

 ほとんどの利用者は、自己負担額が1割負担 

 2割負担となる対象 

  • 単身世帯:「年金収入+その他合計所得金額280万円以上340万未満世帯の場合。
  • 夫婦世帯:年額346万円以上

 3割負担となる対象 

  • 単身世帯:「年金収入+その他合計所得金額340万円以上
  • 夫婦世帯:年額463万円以上

 

介護保険制度の仕組み    出典:厚生労働省

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介護保険20年の推移

 

要介護度別認定者数の推移

要介護(要支援)の認定者数は、平成30年4月現在644万人、この18年間で約3.0倍に増加。

このうち、要支援の認定者数が特に増加している。

要介護度の推移    出典:厚生労働省

 

 

75歳以上の高齢者数の急速な増加

今後、日本の総人口が減少しているが、高齢者(特に75歳以上の高齢者)の占める割合は増加している。

 

高齢者数の増加    出典:厚生労働省

 

 

65歳以上高齢者のうち、認知症高齢者が増加していく。

65歳以上の高齢者のうち、認知症になる割合が増加することが推測されている。

2025年には約20%700万人に増加する予測である。

※「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関 する研究」(平成26年度厚生労働科学研究費補助金特 別研究事業 九州大学 二宮教授)による速報値

認知症高齢者

出典:厚生労働省

 

世帯主が65歳以上の単独世帯や夫婦のみの世帯が増加していく。

単独世帯が介護を必要になると、介護サービスを受けないと生活できない状態になる。また、65歳以上の夫婦のどちらかが介護を必要になると老老介護の状態になる。

 

65歳以上の夫婦    出典:厚生労働省

 

 

 

介護サービスの利用

手続き

介護保険の手続きは、お住まいの市町村窓口に相談することがスタートです。

手続きの流れは、下の図の通りです。要介護認定(要支援認定を含む)は、介護の必要量を全国一律の基準に基づき、客観的に判定する仕組 みであり、一次判定及び二次判定の結果に基づき、市町村が申請者について要介護認定を行います。

 

利用手続き    出典:厚生労働省

 

 

介護度(要介護状態区分)

介護度(要介護状態等区分とも言う)とは、要介護認定、要支援認定で判定される介護の必要性の程度等を表します。

なお、要介護認定等の結果、要介護者、要支援者のいずれにも該当しない「非該当」と判定される場合もあります。

 

要介護状態に応じてサービスを決定

要介護状態等区分(要介護1~5、要支援1~2)に応じて、在宅の場合には支給限度額、施設の場合には保険給付額がそれぞれ決められます。

  • 要介護:(要介護1、要介護2、要介護3、要介護4、要介護5の5段階)継続して常時介護を必要とする状態であり、介護給付を利用できます。
  • 要支援:(要支援1、要支援2の2段階)日常生活を営むのに支障があると見込まれる状態であり、今の状態を改善あるいは維持するための予防給付を利用できます。
  • 非該当:総合事業を利用できます

 

ーーーー 要介護区分の目安 ーーーー
【 要支援者 】
要支援者の区分は、要支援1と要支援2があり、身体・精神障害により、6か月にわたり、継続して日常生活の一部に支障がある状態です。
 要支援1 
日常生活動作(食事・排泄・入浴・掃除)の自宅での生活において、基本的な日常生活は一人で行うことが可能だが、手段的日常生活動作(買い物・金銭管理・内服薬管理・電話利用)のどれか1つ、一部に見守りや介助が必要な人が対象です。
  • 居室の掃除や買い物など身のまわりの世話の一部に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とする。
  • 排泄や食事はほとんど自分ひとりでできる。

 

 要支援2 
要支援1に加え、下肢筋力低下により、歩行状態が不安定な人。今後日常生活において介護が必要になる可能性のある人が対象です。
  • 身だしなみや居室の掃除などの身のまわりの世話に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とする。
  • 歩行できるが不安定な人。そのままにすると転倒して介護状態になる可能性のある人。
  • 排泄や食事はほとんど自分ひとりでできる。

 

 

 

【 要介護者 】
要介護者の区分は要介護1、2、3、4、5の5段階があり、身体・精神障害により、6か月にわたり、日常生活動作の一部または全面に介助を必要としている状態です。 要介護1 

手段的日常生活動作でどれか1つ、毎日介助が必要となる人が対象です。日常生活動作においても、歩行不安定や下肢筋力低下により一部介助が必要な人が対象です。

  • 身だしなみや居室の掃除などの身のまわりの世話に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とする。
  • 歩行や両足での立位保持などの移動の動作に何らかの支えを必要とすることがある。
  • 排泄や食事はほとんど自分ひとりでできる。
  • 混乱や理解低下がみられることがある。

 

 要介護2 
手段的日常生活動作や日常生活動作の一部に、毎日介助が必要になる人が対象です。日常生活動作を行うことはできるが、認知症の症状がみられており、日常生活にトラブルのある可能性がある人も対象です。
  • 身だしなみや居室の掃除などの身のまわりの世話の全般に何らかの介助を必要とする。
  • 歩行や両足での立位保持などの移動の動作に何らかの支えを必要とする。
  • 排泄や食事などの日常生活動作に何らかの介助を必要とすることがある。
  • 混乱や理解低下がみられることがある。

 

 要介護3 
自立歩行が困難な人で、杖・歩行器や車いすを利用している人が対象です。手段的日常生活動作や日常生活動作で、毎日何かの部分で全面的に介助が必要な人が対象です。

  • 身だしなみや居室の掃除などの身のまわりの世話が自分ひとりでできない。
  • 歩行や両足での立位保持などの移動の動作が自分でできないことがある。杖・歩行器・シルバーかーなど歩行自助具が必要。
  • 排泄が自分ひとりでできない。
  • いくつかの不安行動や全般的な理解の低下がみられることがある。

 

 要介護4 
移動には車椅子が必要となり、常時介護なしでは、日常生活を送ることができない人が対象です。全面的に介護を行う必要はあるものの、会話が行える状態の人が対象です。胃瘻や点滴で、食事介助の必要性がない人は、全面的な介護が必要でないと判断され、要介護4に該当することがあります。
  • 身だしなみや居室の掃除などの身のまわりの世話がほとんどできない。
  • 歩行や両足での立位保持などの移動の動作が自分ひとりではできない。移動は車椅子。
  • 排泄がほとんどできない。
  • 多くの不安行動や全般的な理解の低下がみられることがある。

 

 要介護5 
ほとんど寝たきりの状態で、意思の伝達が困難で、自力で食事が行えない状態の人が対象です。日常生活すべての面で、常時介護をしていないと生活することが困難な人が対象です。
  • 身だしなみや居室の掃除などの身のまわりの世話ができない。
  • 歩行や両足での立位保持などの移動の動作が全くできない。ほとんど寝たきり状態。
  • 排泄や食事ができない。
  • 多くの不安行動や全般的な理解の低下がみられることがある。

 

介護サービスの種類

介護サービスは介護給付を行うサービスと予防給付を行うサービスに分かれます。

自宅でサービスを受ける場合は、居宅介護サービスから選びます。

施設でサービスを受ける場合は、施設サービスから選びます。

 

介護サービスの種類