介護は毎日休みなく続きます。仕事で介護者の方に接する機会が多いですが皆さん介護疲れを感じています。介護の負担を減らすのは「介護保険サービスを利用する」ことと「介護スキル」を身に付けることです。
介護保険サービスを利用する
要介助者が入院して初めて介護保険を申請してサービスを受ける家族が多いです。
もっと早い段階に介護保険を利用していれば介護疲れにならなかったのではないかと感じることがあります。
介護にがんばり過ぎて疲れ果てた家族は、入院により介護から開放されると限界だと感じてしまうことが少なくないです。
上手に介護保険を利用して介護負担を軽減している家族は介護とうまく付き合っているように感じます。
介護サービスの種類
介護保険サービス、行政サービスの2つの介護サービスを利用して介護負担を軽減しよう。
介護保険サービス
公的介護保険の支給限度額の範囲でケアマネジャーが必要な介護サービスをプラン作成します。
その時、介護負担となっている部分をサービスで任せることができるか、無理せず正直な気持ちをケアマネジャーに相談しましょう。
ショートステイを利用することで解放される時間も作ることができます。
家族介護者が自由な時間をもつことは精神的にも必要なことで、罪悪感を抱く必要はないです。
- 訪問介護:ホームヘルパーが訪問して、排せつ・入浴・食事などの介護や生活支援を行います。
- 訪問入浴介護:専用の浴槽を自宅に持ち込んで入浴介助を行います。
- デイサービス:要介護者が介護施設などに通い、食事や入浴などの生活支援やレクを受ける日帰りサービスです。
- ショートステイ:要介護者が介護施設などに泊まるサービスです。介護者の休息としても利用できます。
行政サービス
各市区町村には高齢者支援サービスがあり、助成される内容やサービスが違います。
各市区町村のホームページや地域包括支援センターなどで、どのようなサービスがあるかを知ることができます。
介護負担を減らす介護スキル
介護負担を減らすためには、2つの方法があります。
- できることを増やすこと
- 介助用品を使うこと
できることを増やす介助スキル
1.安全への配慮
ポジション
1.介護者は患者さんの弱い方(麻痺側、骨折側)に付き添うこと。
2.寝返り・起き上がりでは、介助者は、患者さんが動く方向にいること。
無理しない
2.できないところだけ介助する
何ができないか? どこまでできるか? を見てください。
できないところだけ手伝う
できない動作の中でもできる部分とできない部分があります。
例えば、イラストのように立ち上がり動作ができない場合でも
左手で手すりを握ること | ○ |
お尻を前に移動すること | ○ |
少しお尻を持ち上げること | ❌ |
お尻が少し上がれば、そこから立ち上がれる | ○ |
手伝うのは、お尻を少し持ち上げるところだけで良いのです。
介助するタイミング
できている時は動いています。できない時に動きが止まります。
一連の動きの中で、動きが止まったときが、介助するタイミングです。
介助するタイミングになったら、少しずつ力を加え、動き出したらそれが最小の介助量です。
3.相手の動きに合わせる
できるけで自分で動くように伝え、動きだすのを待つ
まず、これから何をするのか伝え、できるだけ自分で動いてもらいます。
筋力の弱い人は動きだすのに時間がかかります、相手が動きだしてから介助する方が楽です。
見ているのはこちらだけでない、リラックスして
怖い顔、嫌な顔、不安な顔していると患者さんの動きは悪くなります。
優しく声かけして、褒めたりするのと動きが良くなり、介助者は楽になります。
4.介助動作の全体をイメージしてから行う
動きの軌道をイメージする
立ち上がるときは、前方に体重移動して立ち上がります。
しかし、介護者が前方で壁を作っていると動けません。
動きの軌道をイメージした介助で、動き易くなるため介助者は楽になります。
初めから最後までの動きのイメージを持ってから
例えば、車椅子をベッドに寄せた位置で寝たときの位置が決まります。
丁度いい位置に車椅子を寄せれれば、寝てから身体を動かす必要がなく、介助者は楽になります。
5.介助用品、福祉用具を利用しましょう。
介護保険で使える福祉用具はどんどん増えて、使える良品が多くなっています。
しかも、レンタルできる商品が多く安価で利用できます。